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読書月間 [本]

前記事に書いた通り、1月はめまいにより、パソコンを控えていました。
そんなわけで、1月は読書に勤しんでおりました。

まず読んだのは、衝撃的なこの本。
『地球星人』村田紗耶香

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自分を魔法使いだと思い込んでいる少女、奈月。
友達はポハピピンボピア星人の人形。
毎年盆休みに行く祖父母の家で会う、いとこの由宇は宇宙人(と思い込んでいる)で奈月の恋人。
地球を工場と呼び、大人になったら自分たちは出荷され、子孫繁栄のために尽くさなければならないと、本気で思っている。
母親にすべてを否定されて育った奈月は、懸命に地球の一員になろうとするのだが…

いやあ、衝撃でした。
村田紗耶香さんの頭の中を覗いてみたい。
この本に登場する男女は、「コンビニ人間」のふたりをはるかに超えた異常な人です。
ラストは特に衝撃で、???と思わず「こんな結末?」てしばし呆然。
だけど、すごく面白くて、まさに一気読みしました。

それで、続けてこちらも読んでしまいました。
『しろいろの街の、その骨の体温の』村田紗耶香

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これは、地球星人ほどの衝撃はありませんでしたが、なかなかの問題作です。
どちらかというと目立たない小学生の結佳。
どこか大人びて、空気を読みながら友人関係を続けている。
書道教室で親しくなったクラスメートの伊吹君に、性的な興味を持つ。
小学生から中学生に、成長していく心と体。
スクールカーストの残酷さなども織り交ぜて、少女の感情がすごくリアルに描かれています。
恋とは違う、歪んだ欲望?
読んでてちょっと胸が痛くなりました。
伊吹君が、なかなかに可愛い。すごくいい子。
これも一気読みでした。


もう一冊。これは一気読みは出来なかった。
『夢見る帝国図書館』中島京子

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わたしは、ある日偶然、個性的な服装の喜和子さんと出会う。
まだ駆け出しの小説家のわたしに、喜和子さんは言った。
「図書館が主人公の小説を書いてよ」
面喰いながらも、わたしと喜和子さんは、年の離れた友達になる。

帝国図書館の歴史と、喜和子さんの人生が交互に描かれて、ワクワクしながら読みました。
図書館の歴史と言っても、すごくわかりやすく描かれていて、小難しいという印象はありません。
樋口一葉や永井荷風といった有名な小説家たちが登場しますが、セリフが現代っぽかったりして面白いです。
喜和子さんが生きた戦後から、時代は平成へ。
彼女が図書館にこだわる理由は?
謎がちりばめられた人生を、私も主人公と一緒にあれこれ考えながら読みました。
読み応えありました。

以上、1月に読んだ印象深い3冊でした。
よかったら読んでみてくださいね。






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