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読書の秋 [本]

やっと涼しくなりました。

涼しくなったので、勝手に読書週間にしました。

[本] 本を3冊読みました。どれも面白かったので、紹介します。

『女中譚』 中島京子
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ちょっと変わった小説でした。
林芙美子、吉屋信子、永井荷風 3人の文豪が書いた女中の話と、現代の秋葉原で暮らす老婆を結びつけた不思議な話。

90を過ぎたスミさんは、メイドカフェの常連、メイドの女の子とも友達。
そのスミさんが若者に話して聞かせる昔話。
文豪達の3つの話を自分の体験談として話すのですが、それが面白い。

特に好きだったのは、「ヒモの手紙」という話。
酒場で出会った男は、自分の恋人を女郎屋に売り飛ばすような悪い男。
しかもその女から金を無心する手紙を書いてくれと、スミに頼んでくる。
スミは最初、女を哀れに思っていたが、だんだん楽しくなってくる。
こんな男のために金を貢ぐ女をバカにしながら、代筆である手紙を、頼まれなくても書くようになる。

ちょっと変な話だけど、面白かったです。
秋葉原と、大正・昭和が交互に繋がっていくのもユニークでした。

『ソロモンの犬』 道尾秀介
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ミステリーです。
最初から謎にあふれた展開で、すごく引きつけられました。

雨宿りで初めて入った喫茶店。
初めてなのに、どこかで会ったことがあるマスター。
歪んだ画面の古いテレビ。
床に転がった銀の指輪。
謎のキーワードが目白押し。う~ん、ミステリアス。

主人公は大学生。
親しくしている教授の一人息子が、突然車道に飛び出した飼い犬に引っ張られ、交通事故で亡くなってしまう。
それを目撃してしまった静。
何故従順だった犬が突然走り出したのか。
静は、やはりその時近くにいた同級生を疑い始める。
「お前が殺したんじゃないのか?」

意外な結末で、面白かったです。一気に読んじゃいました。

『ヘヴン』 川上未映子
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テーマは「いじめ」です。

クラスメートから、ひどいいじめを受けている14歳の少年。
ある朝机の中に手紙が入っているのを見つける。
手紙の送り主は、やはりクラスの女子からいじめを受けている女生徒コジマだった。
ふたりは手紙のやり取りをしたり、時々外で会ったりする。
芽生える友情。お互いを必要としていく二人だが…

コジマのセリフが印象的。
「わたしたちは、いじめを受け入れている。それこそが正義だ。
いじめるヤツ、見ないふりをするヤツ、そんな人たちの中で、正しいことをしているのはわたしたちだけなのよ」

う~ん、そうかな~。
いじめを受け入れるのって、正義なのかな。
私は、いじめに遭ったらまわりに助けを求めて欲しいと思う。

いじめのシーンは、目を覆いたくなるようなところもありましたが、ありがちな犯罪に走ったり、死を選んだり、という展開にならなかったがよかったです。
中学生や高校生にこそ読んでほしい話だと思いました。

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yawafumi

暑かった夏も終わりそうですね。
読書を楽しむ季節になりそうですね。
難しそうな本を読むのですね。
by yawafumi (2010-09-10 11:37) 

リンさん

<yawafumiさん>
今日はまた夏に逆戻り。
早く秋になってほしいです。

この本、そんなに難しくないですよ。
字も大きいし(笑)
by リンさん (2010-09-11 19:32) 

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