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六人の嘘つきな大学生 [本]

面白くて一気読みしました。

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『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

人気IT企業で最終選考に残った6人の就活生。
全員で内定を得ようと交流を深めていくが、採用されるのはたった1人と知る。
しかも6人で、採用される1人を話し合って決めるというとんでもない選考方法。
最後の話し合いを進める中、それぞれの過去を告発する封書が見つかる。
混乱する6人。
就活という異常な精神状態の中で、犯人探しに躍起になる。

図書館で何気なく借りたのですが、面白くて一気に読みました。
犯人は誰か。
刑事事件でもなく、殺人も起きないけれど、すごく良くできたミステリー。
展開もすごく良くて、最初から最後まで面白かった。

気になる方は読んでみてください。



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カレンの台所 [本]

娘への、少し早いクリスマスプレゼントに買いました。

『カレンの台所』

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滝沢カレンさんのレシピ本です。
気が向いたときに決まったものしか作らない娘が、これを読んで少しでも料理をやるようになってくれたらと思ったのです。

とにかく面白い。
食材の擬人化、分量の絶妙な言い回し。
すべてが独特で、読んでて楽しい。

「お醤油を気づかれるくらいの量入れる」とか
「根性で炒めます」とか
「どうにでもなれという気持ちで入れます」とか
「二の腕を気にして触るくらいの力」とかね^^
とにかく面白いです。
なるほどな~と思います。

全部本格的な家庭料理で、写真もすごく美味しそう。
楽しく料理が出来そうですよ。

ちなみに娘はまだ、全然作ってくれませんが(笑)

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クララとおひさま [本]

前から読みたかった本
やっと借りてきました。

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「クララとおひさま」カズオ・イシグロ

クララは学習能力があるロボット。
AFという、子供の友達用に造られたロボットです。
クララを選んだのは、ジョジーという女の子。
ジョジーは病気がちで、時に寝込んでしまいます。
常にジョジーのために最良のことを考えるクララは、ジョジーの病気を治そうと、あることを思いつくのです。

とにかくクララがとても優しくて献身的。だけどたまに意見を言ったりする。
知的で好奇心が旺盛なロボットなんです。
クララの病気を治すために頑張る姿は感動的です。

物語は、クララの目を通して語られています。
ジョジーが死んでしまうことを恐れて、ある計画を立てている母親。
ジョジーと将来を誓い合った幼なじみのリック。
細かい心情が、優しい語り口で書かれています。

そしてSFの面白いところは、想像力が高まるところですね。
子供が受ける「向上処置」というものが出てきます。
恐らく学習能力を高めるために何かをするのでしょう。詳しく書かれていないので、どんな処置をするのか気になりますよね。
そして受けた子と受けない子の間には格差があって、差別に繋がったりするのです。
そしてジョジーの病気も、向上処置が原因かもしれません。一体どんな処置なの?

「クーティングマシン」という空気を汚す謎の車も出てきます。
未来にそんなディーゼル車みたいなものがあるのか? と疑問もありますが、クララはその車を恐れて何とも大胆な行動に出るのです。

楽しくて切なくて温かい、とても素敵な小説でした。
気になった方、クララの優しさに触れてみてくださいね。

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自転しながら公転する [本]

去年の暮に読んだ本です。
『自転しながら公転する』山本文緒

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都は、重い更年期障害に苦しむ母親を助けるために、東京から実家に帰ってくる。
32歳、契約社員のショップ店員。
将来への不安、親との距離感、職場の人間関係、セクハラ上司と、悩みは尽きない。
そんな都が出逢ったのは、寿司屋のバイト貫一。
定職なし、学歴なし、貧乏暮らしの貫一に、戸惑いつつも恋に落ちていく。

ああ、何だか都が、すごく等身大なんですよね。
時には一緒に悩んだり、それは違うんじゃないとツッコみたくなったり。
とにかく応援したくなる感じなんですよ。
二転三転する恋の行方や、都が選ぶ選択にハラハラドキドキ。
なかなか面白い小説でした。

そして、舞台になっている街は、茨城県南。
都が働くアウトレットは、うちから車で10分。
都が毎朝見上げる大仏様の霊園には、私の父が眠っている。
小説やドラマの舞台が近所だと、すごく親近感が湧きますね。
それも併せて楽しめました。
なかなか厚い本ですが、一気に読めちゃいました。
どちらかというと、女性におすすめかな。
気になった人、読んでみてくださいね。

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いたずら盛りのレイちゃん。
暮れから正月にかけて、茶碗を3個、ガラス製品2個割りました。
反省にゃ!

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読書月間 [本]

前記事に書いた通り、1月はめまいにより、パソコンを控えていました。
そんなわけで、1月は読書に勤しんでおりました。

まず読んだのは、衝撃的なこの本。
『地球星人』村田紗耶香

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自分を魔法使いだと思い込んでいる少女、奈月。
友達はポハピピンボピア星人の人形。
毎年盆休みに行く祖父母の家で会う、いとこの由宇は宇宙人(と思い込んでいる)で奈月の恋人。
地球を工場と呼び、大人になったら自分たちは出荷され、子孫繁栄のために尽くさなければならないと、本気で思っている。
母親にすべてを否定されて育った奈月は、懸命に地球の一員になろうとするのだが…

いやあ、衝撃でした。
村田紗耶香さんの頭の中を覗いてみたい。
この本に登場する男女は、「コンビニ人間」のふたりをはるかに超えた異常な人です。
ラストは特に衝撃で、???と思わず「こんな結末?」てしばし呆然。
だけど、すごく面白くて、まさに一気読みしました。

それで、続けてこちらも読んでしまいました。
『しろいろの街の、その骨の体温の』村田紗耶香

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これは、地球星人ほどの衝撃はありませんでしたが、なかなかの問題作です。
どちらかというと目立たない小学生の結佳。
どこか大人びて、空気を読みながら友人関係を続けている。
書道教室で親しくなったクラスメートの伊吹君に、性的な興味を持つ。
小学生から中学生に、成長していく心と体。
スクールカーストの残酷さなども織り交ぜて、少女の感情がすごくリアルに描かれています。
恋とは違う、歪んだ欲望?
読んでてちょっと胸が痛くなりました。
伊吹君が、なかなかに可愛い。すごくいい子。
これも一気読みでした。


もう一冊。これは一気読みは出来なかった。
『夢見る帝国図書館』中島京子

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わたしは、ある日偶然、個性的な服装の喜和子さんと出会う。
まだ駆け出しの小説家のわたしに、喜和子さんは言った。
「図書館が主人公の小説を書いてよ」
面喰いながらも、わたしと喜和子さんは、年の離れた友達になる。

帝国図書館の歴史と、喜和子さんの人生が交互に描かれて、ワクワクしながら読みました。
図書館の歴史と言っても、すごくわかりやすく描かれていて、小難しいという印象はありません。
樋口一葉や永井荷風といった有名な小説家たちが登場しますが、セリフが現代っぽかったりして面白いです。
喜和子さんが生きた戦後から、時代は平成へ。
彼女が図書館にこだわる理由は?
謎がちりばめられた人生を、私も主人公と一緒にあれこれ考えながら読みました。
読み応えありました。

以上、1月に読んだ印象深い3冊でした。
よかったら読んでみてくださいね。






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最近読んだ本 [本]

2週間に一度、図書館で本を借りてくるのですが、正直当たりもあれば外れもあります。

今回借りた2冊は、どちらも当たりだったので、ご紹介します。

『メビウス・ファクトリー/三崎亜記』

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妻子を連れて地元に戻ったアルトは、町全体を支配する工場で働き始める。
快適な環境で働くアルトだが、その工場で何が作られているのか誰も知らない。
不可思議な町のしきたりを受け入れながらも、徐々に疑問を持つようになる。
工場の秘密とはいったい…

三崎亜記さんの小説は、どちらかというと短編の方が好きなのですが、これはとても面白かったです。
「お身削り」や「お身被せ」や「お締め上げ」などの独特な作業工程。
不思議な世界を創るのが本当にすごいです。
いったい何を作っているのか、先が気になって一気に読みました。
ただ、章ごとに視点が変わるのですが、同じ一人称なので同人物だと思って途中まで読んでしまいました。あれ?なんか変? 5頁くらい読んだあたりで気づきました。
ボケてるな~(笑)

もう1冊

『本屋さんのダイアナ/柚木麻子』

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ダイアナは、女の子の名前。純粋な日本人。漢字で「大穴」と書く。
この名前が大嫌いなダイアナは、15歳になったら改名しようと決めている。
そんなダイアナが、小学3年生で出会った同級生の彩子。
「ダイアナって素敵な名前。赤毛のアンの親友もダイアナよ」と言ってくれる。
ふたりは親友になる。ずっと仲良しだと思っていたふたりだが…。

私の感性にドンピシャのお話です。
「赤毛のアン」を夢中で読んだ少女の頃を思い出しました。
たくさんの経験を積んで成長していく少女たち。
ダイアナの母親、彩子の母親、まったくタイプが違うふたりの母親も、とても魅力的に描かれていました。
素敵な小説。娘に読ませたいと思いました。
でも私と趣味が違うからな~。読むかな~。

ムーンナイト・ダイバー [本]

久しぶりに、本の紹介を。

『ムーンナイト・ダイバー』 天童荒太

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東日本大震災以降、原発や震災を描いた小説が数多く書かれました。
いくつか読みましたが、取って付けたように原発問題を取り入れている小説もありました。
面白いけどあまり心に響かない。
そんな作品が多い中、この『ムーンナイト・ダイバー』は素晴らしかった。
人の死や、遺族の悲しみを書かせたら、天童荒太の右に出る者はありません。

震災によって汚染された町、大切な人を亡くした遺族たちは、遺体を捜すことも遺品を持ち帰ることもできない。
そこで、海の底に沈んだ遺品なら、持ち出せると考えた男がいた。
危険なうえに非合法な潜水を行うのは、ダイバーの舟作。
彼も震災で兄を亡くしていた。
大切な家族を亡くした苦しみ。生き残った者の苦しみ。
悲しくて、優しい物語です。

天童荒太の小説を読み度思うのですが、重いテーマを題材にしているのに、読後感がいい。
読み終わったあとに、静かな感動が胸に残ります。
またひとつ、好きな小説が増えました。


その手をにぎりたい [本]

最近はまっている柚木麻子さんの小説 「その手をにぎりたい」

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バブル期を生きる女性のお話です。
1983年、会社を辞めて田舎に帰ることを決めた青子は、最後だからと社長に連れられ、初めて老舗の寿司屋に行く。
寿司の味と、寿司を握る職人さんの手に惚れこんでしまった青子は、東京に残ることを決める。
バブル期の不動産会社に転職し、バリバリのキャリアウーマンへと変貌していく。

バブルの中心で颯爽と生きる一方で、寿司職人への淡い恋心を捨てきれない。
読み終わった後、切ない気持ちが胸にじーんときました。

ところで、バブル期って一体なんだったんだろう。
もちろん私もその時代を経験しましたが、全くと言っていいほど恩恵は受けていません。
たしかに雇用はたくさんあったし、物の値段は高かった。
だけど私は贅沢もせず普通に暮らしていましたね。
都会じゃなかったからかしら。


お弁当(おまけ)

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豆ご飯を作りました。

最近読んだ本 [本]

最近読んだおすすめ本です。

『ランチのアッコちゃん』(柚木麻子)

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アッコちゃんって可愛い女の子が出てくるのかと思いきや…
アッコちゃんは40代独身の女部長。仕事が出来て厳しい人。
一方三智子さんは、20代の派遣社員。彼氏にフラれたばかり。
ひょんなことから三智子さんは、アッコ部長とランチの交換をすることになる。
三智子さんのお弁当をアッコさんが食べ、三智子さんはアッコさんの指示通りのランチを食べる。
それは三智子さんにとって、刺激的な一週間になる。

とても元気が出る本です。
アッコさんのカッコ良さにほれぼれしちゃいます。
ちょっと考え方を変えれば前向きになれるんだな。
人間関係などに悩んでいる方、ぜひお勧めです。
続編「3時のアッコちゃん」も出ています。ドラマ化もされるらしいですよ。

そしてもう一冊

『有頂天家族 二代目の帰朝』(森見登美彦)

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アニメ化もされて大評判の前作に続く第2部。
人間と狸と天狗が共存する京都が舞台。
主人公は狸の下鴨矢三郎(下鴨家の三男)。
矢三郎が師と仰ぐ天狗の赤玉先生の二代目がイギリスから帰ってくるところから、この話は始まる。
二代目、けっこういいキャラ。
読みだしたら止まらない。とにかくすごく面白い。
またアニメ化されるかな。
三部作で、続編が出ることが決まっているらしい。
どっぷりと、森見ワールドに浸れる一冊です。


おまけ
お弁当です。

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そろそろ暑くなってきたから、お弁当にも気を使いますね。


正義のセ [本]

最近ちょっとはまっている本を紹介します。

『正義のセ/阿川佐和子』

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正義感が人いちばん強い、豆腐屋の娘・凛々子。
念願の検事になったが道は厳しく、失敗の連続。
恋人にふられたりしながらも、家族や仲間に支えられて成長していく物語。

検事という堅い職業を描いているのに、すごく読みやすい。
家族や登場人物もわかりやすい。
まるで朝ドラを小説で読んでいるみたい。
続きが楽しみで仕方ありません。
明日3巻借りてこよう^^